第5作ビデオ「人質」

製作の趣旨及び目的

第5作「人質」近年、キルギス共和国における邦人拉致事件、メキシコにおける電機メーカー米国邦人社長誘拐事件、フィリピンにおける建設会社邦人事務所長誘拐事件、そしてペルー日本大使公邸占拠・人質事件など、日本人や日本の権益を狙った事件が続発しています。今後、海外での日本のプレゼンスの増大を背景に、ますます日本人や日本企業を狙った犯罪やテロ事件が増加することが懸念されています。

特に、日本企業の海外駐在員の誘拐・拉致事件は、1978年にエルサルバドルで日本企業の合弁会社社長が誘拐・殺害されて以来、

  • フィリピンにおける商社支店長誘拐事件(1986年)
  • ラオスにおける商社事務所長誘拐事件(1989年)
  • コロンビアにおける電機メーカー技術者誘拐事件(1991年)
  • パナマにおける商事会社社員誘拐殺害事件(1992年)
  • メキシコにおける電機メーカー現地邦人社長誘拐事件(1996年)
  • ペルー日本大使公邸占拠・人質事件(1996年)
  • フィリピンにおける建設会社事務所長誘拐事件(1997年)
  • キルギス共和国における邦人拉致事件(1999年)
等々、日本企業の海外駐在員等の誘拐・拉致事件は後を絶たず、今なお大きな脅威となっています。

そこで、平成9年度には誘拐事件に遭ってしまった場合の企業の対応に焦点を当てた「Kidnap(誘拐)」を、平成10年度には誘拐を実行する側のテロリストの視点で描いた「ターゲット日本企業」をそれぞれアニメーションで製作し、海外安全対策、危機管理体制の整備に取り組む必要性を啓蒙してまいりました。

今年度は、誘拐・拉致された「人質」そのものに焦点を当てて、

  • 人質はどのような境遇に置かれるのか。
  • 人質になった場合に、どのような心理状態になるのか。
  • 何を食べ、何を考え、何を想い人質生活を送ったのか。
  • どのようにして身体的、精神的な健康を維持したか。
等を明らかにし、万が一、誘拐・拉致された場合の心構えや予防の重要性を考えて頂くこととしました。なお今回は、実際に人質になった方々の証言などを中心としたドキュメンタリーで製作しています。

ビデオ製作の概要

製作 財団法人 警察協会
企画 財団法人 公共政策調査会
助成 財団法人 日本宝くじ協会
制作 音響映像システム株式会社

ビデオの規格、配布先等

規格 ドキュメンタリービデオ 約60分
製作本数 3,000本
配布先等 下記に寄贈(非売品)
  • @海外展開している主要大手企業
  • A視聴覚設備(ビデオ)を設置している全国の主要図書館

ビデオの内容

本ビデオは、実際に人質になった方々や専門家のインタビューを中心に構成されており、特に下記の人質経験者が、当時の人質生活の状況を生々しく語っている点が特徴です。

【1】人質経験者

トム・ハーグローブ(THOMAS R. HARGROVE)氏(米国人)
1994年9月に、南米コロンビアでコロンビア革命軍(Revolutionary Armed Force of Columbia:FARC)に誘拐され、11ケ月間に及び山中にて監禁された。

(本ビデオのポスター等に使われている写真は、同氏の生存証明のため、誘拐したテログループFARCが同氏の家族に宛てて送付してきた写真である。)

ジョン・ハイデマ(John H. HEIDEMA)氏(米国人)
1996年7月に、エクアドルでコロンビア人武装グループに誘拐され、38日間に及びジャングル等で監禁された。
水野文雄氏(日本人)
1990年5月に、フィリピン・ネグロス島で共産ゲリラ新人民軍(New People's Army:NPA)に誘拐され、65日間に及び山中で監禁された。

【2】専門家等

パット・ムレイニ氏(PATRIC J. MULLANY)氏(元FBIプロファイラー)
FBIで20年以上勤務し、退官後は米国企業のセキュリティー・ディレクター等を歴任。FBI在任中は数々の人質事件に携わり、心理プロファイリング、人質交渉、ストレス管理等のプログラムを開発した、人質事件の専門家。
ブライアン・ジェンキンス氏(BRIAN M. JENKINS)氏(元ランド・コーポレーション政治科学部長)
テロリズム研究の世界的な権威で、世界有数のシンク・タンクであるランド・コーポレーションの政治科学部長を永年にわたり勤め、テロ研究の基礎を築いた。 また、米国議会公聴会等でも度々証言を行い、米国政府におけるテロ対策に助言を行っている。